聖ヒルデガルトが勧める食材

ドイツ語ではディンケル、フランス語ではエポートル、イタリア語ではファッロと呼ばれるスペルト小麦は、最も古い穀物で小麦の原種と言われています。

ヒルデガルトは、スペルト小麦について、「これは体を温め丈夫にする非常に優れた食べ物で、他の穀物よりも口当たりがよい。スペルトは引き締まった肉とよい血液を作り、幸福な心や喜びに満ちた精神をもたらす。」と称賛しています。消化がよく、健康な人も病気の人が食べてもよい穀物であり、ヒルデガルトの食事療法では、スペルト小麦を中心とした食生活をおくるよう勧められます。

今日の栄養面におけるスペルト小麦について研究で、これには必須アミノ酸、神経系に有益な脂肪酸、炭水化物やミネラル類に加えて食物繊維が豊富であるなど、必要なあらゆる栄養素が含まれていると明らかになっています。

フェンネルは、ヒルデガルトが種子はティーやスパイスに、茎を野菜として料理に何に用いてもよい勧める食材です。

フェンネルについてヒルデガルトは、「生で食べても、人には害にならない。どのような形で食べても、これは人を幸せな気分にし、じんわりと温めて循環をよくし、消化に役立つ。」と述べています。

栗は、理想的な脳と神経のための食べ物であるとヒルデガルトは書き残しています。またあらゆる毒素から肝臓を守る働きがあり、あらゆるタイプの虚弱に効果があるそうです。

今日の研究で、栗には有益なたんぱく質に加えて、多くのバイオフラボノイド類、ビタミンA、B、Cや神経の働きに必要な神経伝達物質（GABA、ガンマアミノ酪酸）が含まれており、脳のエネルギーとなる炭水化物の供給源となります。