アロマセラピスト&翻訳家 飯嶋慶子

IFA認定アロマセラピスト、翻訳家
長年米国系証券会社に勤務の傍らアロマテラピーを学ぶ。退職後ロンドン・スクール・オブ・アロマテラピー・ジャパンでアロマテラピートリートメントを学び、2002年にIFA認定アロマセラピストの資格を取得。

資格取得後は、都内の老人病院に入院の高齢者や緩和ケア病棟の末期がん患者へのアロマテラピートリートメントの施術や、民間および地方公共団体主催のセミナーでアロマテラピー講師として活動。
2004年には「エッセンシャルオイル&ハーブウォーター375」の翻訳を手がけたことをきっか

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ビールについてヒルデガルトは

ヒルデガルトは、「フィジカ」でビールについて「ビールは人の肉を肥えさせ、穀物の良い汁の力で人の顔色をよくする。」と述べています。ヒルデガルトの巡礼路の本には、ヒルデガルトが、著書「病因と治療」に「Cerevisiam bibat! (ビールを飲みなさい!)」とも述べていると書かれています。その部分を訳したのでご紹介します。"Cerevisiam bibat! (ビールを飲みなさい!)" こうヒルデガルトは彼女の医学書「Causae et Curae(病因と治療)」に書いています。 西暦 650 年以降に修道院で醸造されたビールは、オート麦から作られ、時には蜂蜜が混ぜられていました。たとえ中世のビールが、私たちが飲むビールよりもアルコールの含有量がはるかに少なかったとはいえ、ヒルデガルトは、食事中はビールを控え目に飲むようにと助言しています。彼女は、ビールの過剰摂取は体の良い体液を薄めることにつながると見なしていました。彼女はまた、土の湿りにより当時の水は健康によくないとして、冬はビールとワインを飲み、水を控えるべきだと考えました。その代わりに夏には、土は乾燥して、冬よりも害が少ないため、ぬるま湯を飲むことを勧めました。それでも、体の弱い人は、夏にビールやワインを水で割って飲んだほうがよいそうです。「ビールは人の肉を肥えさせ、穀物の良い汁の力で人の顔色をよくする。」

ヒルデガルトの音楽

「それから私は、ネウマ(中世のグレゴリオ聖歌や世俗歌曲の記譜法に用いられた記号)やチャントを一度も学んだことがなかったが、誰からも教えてもらわずに、神と聖人を賛美するメロディーのチャントも作曲して歌っていた。」ーVita Sanctae Hildegardis「ヒルデガルトの巡礼路」の本に、ヒルデガルトの音楽は数十年前までほとんど知られていなかったと書かれているのに驚きました。ヒルデガルトのドキュメンタリー映画「型破りな神秘家 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン」でも、ヒルデガルトの音楽について話しているドイツの作曲家が、ドイツではヒルデガルトは実在の人物ではないと思っていた音楽の専門家がいたと話していました。数十年前は、ドイツでもそれくらいヒルデガルトの曲は知られていなかったということなのでしょうか。彼女の曲への関心の高まりとともに、研究者や音楽家がヒルデガルトの音楽についての本を出版し解説してきたのは、わずか30 年ほど前からなのだそうです。ヒルデガルトが作曲した曲について、「ヒルデガルトの巡礼路」には次のように書かれています。「彼女のメロディーは独特で、通常のグレゴリオ様式のパターンには当てはまりません。ヒルデガルトの歌は、彼女のコミュニティの修道女たちとともに、自由自在に声を使いこなし、歌いこなしたのではないかと思わせるような、すばらしい旋律幅をもつものが多いです。ヒルデガルトの音楽を聴くことは、私たちを少しだけ神の超越性に近づかせてくれます。」